「横浜市消防局による救急教室」開催レポート
港北消防署小机出張所の福田所長によるAED教室を行いました!
教室には、AEDをどうやって使えばいいのか知りたいと常々思っていた方、教わってから時間がたったので復習が必要と思った方、職場での万が一の対応を必要と感じている方などなど、熱心な方に集まってくださいました。
質問も活発に出て、大変にぎやかな教室となりました。
講師
横浜市港北消防署小机消防出張所 所長 福田 隆浩 氏
今回講師の福田所長は、平成29年より小机消防出張所長に就任した勤続34年のベテラン消防職員です!
各種災害対応はもちろんのこと、受け持ち管内の地域や事業所の皆さまから依頼される年間約120件の防災指導や救急講習に指導者として立ち会い、地域防災力の向上に取り組んでいます。
企業・団体の方はもちろん、周辺地域の方もこの機会にAEDの操作を体験してください!
セミナーレポート
実際にやってみることの大切さ
説明を繰り返し聞いても、実際にやるとなると、説明どおりにはできませんでした!
やはり、体を動かして実際にやってみるのは大事です。定期的な講習は必要です!
9分
横浜市の救急車到着までの平均所要時間は、約9分。
救急車が到着するまで、胸骨圧迫を続ける必要があります。
9分間の胸骨圧迫は一人では無理なので、周囲の助けがとても大事です。
周囲の人には、上着などで人目から守る、「がんばれ!」と声をかけるなどできることがあり、処置している人の支えになることができますから、協力してください、と所長。
AED機器について
AEDは、けいれんしている心臓を、電気ショックによって一旦停止させる(リセット)機械です。
停止すると、その後正しく動き出すことがありますが、だめな場合もあるそうです。
AEDは、心臓の動きを解析し、電気ショックが必要かどうかを判断します。
電機ショック後直ちに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始めるよう指示の音声が流れます。
機器には、心電図の波形が見えるなど見た目の違う機種はありますが、基本的な機能は同じだそうです。必要な物品(はさみ、かみそり等)もバックに装備されています(衣服や胸毛を除くのに必要)。パットは予備が入っています。
呼吸について
呼吸が止まれば心臓もそのうち止まってしまうそうです。心臓が止まると、脳に酸素が供給できなくなります。脳は酸素が届かなくなって3~5分以上経過するとダメージを受けます。
呼吸の有無の確認は重要です。あごの動きで判断せず、おなかの動きを10秒以内で観察しましょう。
人工呼吸について
気道確保の技術がなければ、胸骨圧迫に専念したほうが良いそうです。
ただし、子供の場合は体内の血液が少ないので、脳に酸素を供給するためには胸骨圧迫と人工呼吸を併用して行う必要があるそうです。
胸骨圧迫について
胸の中央にある胸骨部分を真上から手の平の付け根部分で圧迫します。
約5cm胸骨が沈むほどの力で圧迫します。高齢者の場合、圧迫によって骨折しやすいのですが、圧迫を継続することが重要です。
速さは1分間100回が目安ですが、これを一人で9分続けるのは難しいです。
手順
- 倒れている人を発見! 周囲の様子(危険はないか)を確認しながら接近します。
- そばに寄って体をたたきながら呼びかけます。
手で振り払う、起き上がるなど突然の動作があるかもしれないので注意が必要。 - 一人で対応は無理なので、周囲に協力を呼びかけます。
- 相手を指して、「あなた、119番に通報してください」、「あなたAEDを持ってきてください」と具体的に指示します。
「誰か~して」と言っても、誰かがやるだろうと思い結局誰も何もしないことにつながるので、指差して指示しましょう。
通報は、119番と言ってあげると、迷わないそうです。119番を思い出せるかな? - 呼吸の確認をします。おなかの動きを中心に10秒以内で確認します。
アゴが動いていても呼吸をしていないことがあるので、おなかや胸を見ること。 - AEDのアナウンス音声に従い、操作します。
-
- AEDが到着し次第、パッドを装着します。
- 【パッド装着について】
- パッド同士が張り付くと使い物にならなくなるので、一枚はがして貼り付けてから、次のパッドをはがしましょう。
パッドは、子供は胸と背中、大人は、心臓を挟むイメージで離して貼ります。
体毛が多いとパッドが浮いてしまうので、ケース内のT字かみそりを使います。 - 【ショートについて】
- 床はぬれていても使用可能。浴槽であれば水を抜けば使用は可能です。
パッド同士を接触させないこと。
パッドとネックレスが触れていると×。上にずらせばOK。
女性下着のワイヤーはAEDパッドに直接触れていなければ良い。
ペースメーカーを装着中の人は、挿入部(盛り上がっている)を避ければ使用可能だそうです。
- AED解析中は誤解析防止のため、体に触れないように注意します。
- アナウンス音声の「電気ショックを開始します」、「離れてください」に応じ、離れましょう。操作している人も「離れてください」と叫んでください。
安全のため電気ショックは自動ではなく、ボタン操作によって実施する仕様となっているそうです。 - 電気ショック後、ただちに胸骨圧迫を開始し、継続します。
- 2分後にAED機器が解析を始めるので、再びアナウンスに従います。
- 呼吸を確認できたら、回復体位(写真)をとらせましょう。
回復体位
最後に
AEDを借りたところへ、借りた方がきちんと返却しましょう。
救急隊の方には使用後の機器の片付けをしてもらうのではなく、患者さんの対応に専念していただきましょう。
横浜市の救急車は平均9分で到着すること、濡れた場所でも使用可能であること、子供には人口呼吸も必要であることなど、大切な知識を教えていただきました。
福田所長、ありがとうございました。
AED講習について
救命についてもっとしっかり学びたい方は、横浜市防火防災協会にお問い合わせください(有料講習会)。
お問合せ先:公益社団法人 横浜市防火防災協会
消防団員、募集中。
地元港北区にお住まいで、かつ区内で働いている人を募集中です。
災害時、いつもいる人、地域とつながりのある人の存在が重要です。
ご興味のある方は、小机消防出張所までご連絡ください!